授業概要

本授業では、3DCADと3Dプリンタを用いたデジタルファブリケーションについて、実践的な知識と技術を学びます。
デジタルデータとして設計したものを、現実世界の物体として出力することで、デジタルとフィジカルをつなぐ工作技術を体験的に習得します。

ここでは、CGのような見た目の精密さを追求するのではなく、実際に手で触れ、既存の物体と組み合わせて使える設計を重視します。
このプロセスを通じて、今後の研究や創作活動に活用できる「ものづくりの基礎力」を身につけることを目的とします。


授業方法

3DCADソフトウェア(Autodesk Fusion)によるモデリングと、3Dプリンタによる造形を繰り返し行うことで、設計から出力までの一連の工程を学びます。

前半では、CG制作とは異なる「実体を持つもの」を作るためのモデリングの基礎と、3Dプリントの仕組み・出力手順を学びます。
後半では、それまでに学んだ知識をもとに個人プロジェクトに取り組み、最終的に成果物を発表・相互評価する成果発表会を行います。


履修上の注意

  • 授業ではPCを使用します。3Dモデリングやスライスデータ作成に十分な空き容量を確保したPCを各自持参してください。
  • 3Dプリンタの制御には、スマートフォン用アプリケーションの登録・連携が必要になります。
  • プリント中は機材の安全管理に注意し、造形物の取り扱いは指導教員の指示に従って行ってください。

評価方法

次の4項目を総合して評価します。
単位取得には総合得点60点以上が必要です。欠席が多い場合は配点にかかわらず「X評価」となります。

評価項目 配点 内容
授業への取り組み態度・授業内課題 40点 各回の課題提出・作業姿勢・改善プロセス
最終課題(作品およびレポート) 40点 完成度、構造の工夫、造形品質、記録内容
成果発表会でのプレゼンテーション 20点 発表内容の明確さ、説明力、作品への理解

教科書・参考書

特に指定しません。必要に応じて、オンラインリソースを案内します。


講義予定

講義予定は以下のとおりですが、新規開講授業なので学生の進捗に従い変更することがあります。

  1. デジタルファブリケーションとは何か
  2. モデリングの基礎
  3. 3Dプリントの基礎
  4. 構造と動きのある造形
  5. アイデアを形にする
  6. プロトタイプ制作と改良
  7. 成果発表と講評